第80話    「黒鯛は深いところに居る」   平成17年10月16日  

釣の初心者は黒鯛を狙う時には、通常深い場所に居ると思い其処を重点的に狙う人が多い。黒鯛は深みにじっと身を潜め、上から落ちて来る餌を待っていると思い勝ちであるが、今までの経験から云えば、黒鯛は必ずしも深い場所に居るとは限らないようだ。季節、天候、時間等の状況次第では一ヒロ位の浅タナまで活発に餌をアサリに来る魚である。

その状況とは風波が立ち、多少の濁りがある時の他荒れた翌日や朝夕のマズメ等さまざまである。季節では夏以降の浅場が特に釣れる。尺物クラスであればマヅメ時に一ヒロ以下の浅いところにも、活発に餌を漁りに来るのを何度と無く目視しているし、又実際釣り上げたことも幾度と無くある。

自分にとっての浅ダナの解釈であるが、最大二ヒロ迄と思っている。尺五寸(45cm)までの半分以上はこの浅ダナで釣り上げている。そして自分の釣り上げた大半黒鯛は、深ダナでも三ヒロ以内である。酒田の近くで近くに三ヒロ半以上の深い場所が少ないのも関係しているが、中通しの竿で釣っている関係でそれ以上の深い場所での釣りは余り出来ないと云うのが大きく影響はているからでもある。また糸を出しやすい外ガイトの竿を使って深ダナを狙う釣を殆んどいないと云う事情もある。なんとなればそんな浅ダナの釣りでも、黒鯛は十分に釣れたからでもある。

一時期ブッコミ釣りで大型の黒鯛に血道を上げていたこともあったが、軟らかな竿に比べて面白さに掛けるのでキッパリと止めてしまった。餌を点で食わせる庄内釣法(完全フカセ釣)は日中の黒鯛釣りに非常に有効であるが、同じ姿勢で数時間待つ釣であるので、非常に疲れる。最近は中通し竿に柔らかな団子をつけた釣り方に代えた。これだと型は今一ではあるが、短時間に魚を寄せ釣る事が可能だし、釣っては小型黒鯛の活発な引きが楽しめ、釣の面白さを十二分に堪能出来るからである。車で10分歩いても5分以内の場所では、手軽に数釣が楽しめる反面、ただ30cmクラス以下が多いが稀には40cmも釣れる事がある。ただ通常は30cmクラス以下が釣れるのが特徴でそれ以上の大型は中々望めないのが悲しい。しかし、絶対に来ないのかと云われれば、それでが絶対とは云い切れないところがあるから釣は面白いのである。

天候や季節の状況次第では一ヒロのタナでも尺五寸の大型黒鯛が食って来るチャンスが十分にある。ただ、釣れるかどうかは、その日の場所の選定次第であるのだから・・・・!!